代役の矜持
『綴じ代を信じる』という作品について
新しい映像作品『綴じ代を信じる』を公開しました。
今回の作品では、本を開くように、記憶をたどるように、言葉にならない感情を少しずつ映像に残していきました。
「綴じ代」という言葉には、本文そのものではないけれど、ページを保つために必要な余白のような響きがあります。
文字が書かれている場所ではなく、でも、その本が本として存在するためには欠かせない場所。
人の気持ちにも、そういう余白があるのかもしれません。
はっきり言葉にできる部分だけではなく、うまく説明できないまま残っているもの。
言い切れなかったこと。
飲み込んだ言葉。
誰にも見せないまま、自分の中でそっと閉じてきた感情。
そういうものを、なかったことにせず、どこかに残しておきたいと思いました。
映像には、本、和室、静かな人物像、縦に流れる言葉を重ねています。
派手な展開ではなく、ページをめくるように、ゆっくりと感情が立ち上がっていくような空気を大切にしました。
本を読むとき、私たちは文字だけを読んでいるようで、実は余白も一緒に読んでいるのだと思います。
行間にある沈黙や、書かれなかった言葉の気配。
そこにこそ、強く残るものがあることもあります。
『綴じ代を信じる』は、言葉になったものだけを信じる作品ではありません。
言葉にならなかったものも、言葉にできなかった時間も、ちゃんと自分の一部として残っている。
そう思いたくて作った作品です。
見てくださった方が、自分の中にある小さな余白や、しまったままの記憶を少しだけ思い出してくれたら嬉しいです。
言えなかったことも、消えたわけではない。
閉じたページの内側で、まだ静かに息をしている。
『綴じ代を信じる』。
そっと受け取ってもらえたら嬉しいです。
温い朝の余白
朝という時間は、いつも少しだけ特別です。
一日の始まりなのに、まだ何も決まっていないような、どこか曖昧でやわらかい時間。
目が覚めて、すぐに動き出す日もあります。
やらなければいけないことを思い出して、気持ちだけが先に走ってしまう朝もあります。
でも、この日は少しだけ違いました。
急がなくてもいいような気がして、ただ目の前の光や音を受け取っていたくなる朝でした。
カーテン越しの光。
まだ少し眠たさの残る空気。
コーヒーの気配。
何かが大きく変わるわけではないけれど、そこにあるものがいつもより少しだけやさしく見える。
そういう時間を、今回は「温い朝の余白」として残しました。
「温い」という言葉には、あたたかいとも、ぬるいとも少し違う感触があります。
強すぎず、冷たすぎず、ただそこにある温度。
朝の光や、部屋の空気や、少しずつ目が覚めていく自分の心に、ちょうど合う言葉だと思いました。
何かを始める前の時間。
まだ言葉にならない気持ち。
今日がどんな一日になるのか分からないまま、それでも少しだけ前を向けるような瞬間。
そういう“余白”が、日常にはちゃんとあるのだと思います。
忙しい毎日の中では、何もしていない時間を無駄だと思ってしまうことがあります。
けれど、本当はその何もしていない時間に、心が整っていたり、次に進むための小さな呼吸があったりするのかもしれません。
コーヒーが冷めるまでの短い時間。
朝の光が部屋に入ってくる時間。
まだ少しぼんやりしたまま、今日のことを考える時間。
そういう小さな時間を、ちゃんと大事にできる人でありたいです。
この映像を見た人にも、少しだけ肩の力を抜いてもらえたらうれしいです。
大きな出来事がなくても、特別な場所に行かなくても、日常の中にはちゃんときれいな瞬間がある。
温い朝の余白。
何も起きていないようで、心は静かに満たされている。
そんな朝を、これからも忘れずにいたいです。
夜の続きみたいな朝
夜が明けたのに、気持ちだけがまだ夜の中に残っている。
そんな瞬間があります。
街の灯りが少しずつ薄れていって、空の色が変わっていくのに、胸の奥にあるものだけは、なかなか朝になってくれない。
今回の曲では、そんな時間を切り取ってみたいと思いました。
雨に濡れた夜は、どこかきれいです。
でも、そのきれいさは、やさしいだけではなくて、少しだけ痛みも含んでいる気がします。
ネオンが滲んで見えることも、静かな道が妙に広く感じることも、ひとりでいることをはっきり思い出させるからかもしれません。
それでも、朝は来ます。
どんな夜のあとにも、ちゃんと光は差してくる。
全部を解決してくれるわけじゃないし、言えなかったことが急に消えるわけでもないけれど、それでも少しずつ景色は変わっていきます。
その変化の中にある、言葉にならない余韻のようなものを、この曲に残したかったです。
見てくれた人が、それぞれの夜や朝を重ねてくれたらうれしいです。
静かな街の空気でも、雨の冷たさでも、言えなかった気持ちでも、どこかひとつでも受け取ってもらえたなら、この曲を作った意味があると思っています。
見てくださってありがとうございます。
よければ、感想や「いいね」で受け取ってもらえたことを教えてください。
それが次の作品を作る力になります。
新曲『泣く人』――3月3日、YouTubeで公開します
雨の夜の街は、やさしい顔をして、いちばん意地悪です。
ネオンが滲んで、言葉が遅れて、気持ちだけが先に溢れていく。
そんな“溢れてしまう側”のために作った曲が、『泣く人』です。
公開情報
『泣く人』は、弱さの歌じゃなくて「生きてる証拠」の歌
泣くことって、負けでも、甘えでもなくて。
ほんとは、耐えてきた時間の長さだけ、ちゃんと理由がある。
『泣く人』では、泣いてしまう瞬間を“綺麗にまとめる”よりも、
そのままの温度で置いておきたかった。
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口に出したくない本音が、舌の奥で毒になる瞬間
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選択肢を削って、削って、それでも進まなきゃいけない感じ
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「壊したら終われる」なんて、都合のいい童話みたいな期待
そういう夜に、寄り添うというより、同じ側に立っていたいと思って作りました。
映像(Lyric Video)について
今回の映像は、雨、街の光、濡れた髪、ホームの冷たさ、手紙、鏡――
感情の居場所がなくなる瞬間を、静かに追いかけるような映像にしています。
音だけじゃなく、画面の光ごと、曲の一部になれば嬉しいです。
こんな時に聴いてほしい
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平気なふりをした日
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返信しないままのメッセージが残っている夜
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誰にも言えない気持ちが、喉に引っかかっているとき
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泣いていい理由を探してしまうとき
できれば、イヤホンで。雨音と息づかいの距離が近くなります。
最後に
『泣く人』は、あなたの涙を止める曲ではありません。
でも、泣いてしまう自分を“否定しないための場所”にはなれるかもしれない。
3月3日、YouTubeで公開します。
聴いて、見て、もし何か残ったら、コメントで一言だけでも教えてください。
その一言が、次の曲の灯りになります。
VOX:SUTERA YORUNO
それでは、公開日に。
窓と入道雲と夏空と:この夏に別れを告げる、切ない新曲を公開しました
夏が終わりを告げるたびに、胸の奥がきゅっとなる。そんな経験はありませんか?
この度、私の新曲「窓と入道雲と夏空と」を公開しました。
今回は、この曲に込めた想いと、動画のテーマについてお話ししたいと思います。
教室の窓枠が切り取る「青春の青」
この曲のミュージックビデオ(MV)は、シンプルなアニメーションで構成されています。
薄暗い教室の窓から見える、真っ青な空と入道雲。そして窓枠に切り取られた男女のシルエット。
誰もが経験するであろう「あの頃の夏」の空気感を表現したくて、このノスタルジックな風景を選びました。
窓の外は、時間なんて関係なく、ただただ眩しい「夏の魔法」が広がっています。でも、窓の内側、つまり心の中は、過ぎゆく日々に対する寂しさや葛藤が渦巻いている。
そのコントラストが、青春の切なさを象徴しているように感じました。
曖昧な答え合わせと、止まったままの時間
歌詞に登場する
「曖昧な答え合わせ」 「止まったままの時計」
といった言葉は、誰にも言えなかった気持ち、踏み出せなかった一歩を表現しています。
学生時代って、大人と子どもの間にある、一番不安定で、一番感情が揺れ動く時期ですよね。熱い日差し(熱い想い)に包まれながらも、どう動けばいいのか分からない、そんなもどかしさを感じていました。
曲の後半で流れる
「巡り巡ってまた繰り返す たどり着いてみれば 何も残らない」
というフレーズは、答えの出ない感情が、まるで螺旋状の影のように心に残り続ける様子を表現しています。それでも、確かにあの夏に感じた、一瞬の煌めきは本物だった、そう信じたいという願いも込めています。
ぜひフルバージョンで聴いてみてください
この夏、何かを成し遂げた人も、何も変わらなかった人も、「窓と入道雲と夏空と」が、あなたの心の中の「あの夏」に寄り添えたら嬉しいです。
フルバージョンの視聴リンクは、以下のURLからどうぞ!
感想や、この曲を聴いて思い出した「あなたの夏」のエピソードなどがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
新曲「空色音青」に心惹かれる理由。透明感あふれる歌声と映像が織りなす世界観
こんにちは、夜野すてらです。
このたび、新曲「空色音青」の歌詞動画を公開しました。すでに聴いてくださった方、ありがとうございます!
この曲は、空の青と透明感をテーマに、言葉とメロディーを紡いでいきました。私自身が感じる「空の色」や「音」を表現したいと思い、心を込めて作りました。
特にこだわったのは、歌詞の一つひとつです。
「言葉の葉は空に舞う 静寂の中舞い散るよう」
というフレーズは、日常の何気ない一瞬に潜む感情を切り取ったものです。皆さんの心にも、そうした情景が浮かんでくれたら嬉しいです。
動画制作は、素晴らしい才能をお持ちの村崎ぶどうさんにお願いしました。
村崎ぶどうさんの描く、温かみのある光と柔らかな色彩が、私の曲の世界観を何倍にも広げてくれています。登場するキャラクターの表情や動きも、歌詞とリンクしていて、何度見ても新しい発見があります。
この動画は、作業用BGMとして流したり、イヤホンでじっくり歌詞を追ったり、様々な楽しみ方ができます。ぜひ、YouTubeでフルバージョンを聴いてみてください。
これからも、皆さんの心にそっと寄り添えるような音楽を届けられるよう、精進していきますので、応援よろしくお願いします。